高齢者が退院後に療養する場合、介護者によるサポートがあると生活の再建がスムーズになります。退院後は手続きや生活再建に手間と労力がかかり、ただでさえ力が落ちているところに、過度の負担がかかるとなかなか自立していくことができません。また、これまでは何ら問題なく送ることができていた日常生活に、障害となるようなことが発生している可能性もあります。こうした問題を見抜いて対策を立てる、生活再建のサポートをしていくという意味でも退院後の介護は重要になります。
退院後の療養で一番困るものが、治療をしながら日常生活をしていかなければいけない点です。入院時であれば、食事の準備や片付けといったものは提供してもらうことができ、清掃などの負担も少ないです。しかし、退院をすると日常生活の負担も療養の身で行わなければいけません。適宜サポートをしてくれる人が近くにいる高齢者であればよいですが、こうした人がいない場合、介護によるサポートが頼りになります。
さらに介護によるサポートであれば、定期的に実施されるので、介護者の変化にも気付きやすくなります。退院できたと言っても、その後の再発や他の病気を併発してしまうリスクのあるものもあります。本人がどのような状態であるのか、健康観察も兼ねた介護をしてもらうことができれば安心感があります。退院後の生活がリズムに乗っていくまでは、介護サポートがあると安心して退院後の生活を再スタートできます。退院後に利用できる介護サービスや、利用までの流れなどについては〈考えておくべき退院後【介護の入り口】〉を参考にしてみてください。