高齢者の入院生活で起こるトラブルと対処法

病気などの症状によっては入院中期間中は、ベッドで横になっている時間が多くなることもあります。この寝たきり状態で起こるトラブルが床ずれです。床ずれとは、圧迫によって血液の流れが滞ってしまうことで起こる病気で、症状が進行すると皮膚が壊死してしまうケースも少なくありません。肌と接触している部分に起こるため気が付き難く、本人の自覚症状がないまま進んでしまうこともあります。同じ姿勢を長時間続けないように、体制を変えるなどの対処が必要です。

長期入院で起こりやすいもう1つの問題に筋力の低下があります。筋力も変化を目で確認することが難しく、数ヵ月の入院生活を経て退院した時に足腰が衰え自立歩行が困難になっていたという事例も珍しくありません。入院前は元気に歩いていたのに、退院後に杖や車椅子生活になる人も多いです。若い世代に比べて、高齢者は一度落ちた筋力や体力を再び取り戻すことは難しいのが実情。入院生活の中で、筋力の低下を防ぐ取り組みを行うことが重要となります。

その他、高齢者ならではのトラブルが認知機能の低下です。軽度の認知症を患っていた人が、入院生活で症状が悪化することもあります。症状の急激な悪化は、環境の変化によるストレスが主な原因です。病気や怪我の治療で入院生活が避けられない場合、家族がこまめに顔を出すなどして精神的なストレスを緩和させましょう。症状の進行を理由に退院後に介護施設に入れてしまうと、更なる悪化を招くこともあります。症状が深刻でなければ、退院後は自宅療養で様子を見てストレスのない生活を送らせるのも有効な手段です。